イネを育てていると、
植物や昆虫の生き死にに立ち会います。 立ち会うというほど大げさなものではなく、 ただ、日常的に生き死にが、あります。 種を蒔く、芽が出る。 育てる、収穫する。 それを食べる。 それは、生きる側に属していること。 ヤゴがトンボになるのは早朝の太陽が光る少し前。 朝日がトンボの羽に反射する頃には 一応飛べる状態になる。 羽を伸ばして乾かしている。 ここで、誰かに触られて(私だ!) 田んぼに落っこちてしまうと そのトンボはもう飛べない。 羽がゆがんでしまっても、濡れてしまってもいけない。 無事にトンボが飛ぶと、なぜかとてもホッとする。 農業の現場には、死ぬことも 殺すこともたくさんあって、 例えば雑草は、できるだけ効率的に 殺される。イネをより良く成長させるために。 苗代に余った苗箱を回収に行ったら、 余った苗が、一部、生きていた。 びっくりした。 ほとんどの苗が枯れて、 枯れた苗がボロボロになってしまったのに その中で、数本だけが生き残っている。 しかも、頑丈に育っている。 でも、この生き残った苗も、 苗箱を回収するときにひっくり返して殺してしまう。 必要のない苗だから。 先日、生きる意味について考えている 障害者の大学教授のテレビ番組を見た。 そのせいで、少しナーバスになったかなぁ。 生物学的には、死ぬのは進化のためだそうです。 進化に固体がついていけなくて、 死んで、次の世代が進化して、を繰り返す。 植物の、特に雑草は生きる順番を皆で争っていて、 順番が来たら、芽を出し、順番が来ない者は 土の中で待機している。 チャンスが巡ってきたら、生きる。生きて育つ。 寿命は、短い。 ただ、それだけです。
by yoojie
| 2009-06-25 21:36
| 田舎暮らし
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